1歳乳児に注意喚起!食塩中毒で死に至る危険と症状や原因についてのトピックイメージ写真

2017年7月11日に岩手県警より、盛岡市にある認可外保育施設に預かり保育中の1歳の乳児に食塩を混ぜた液体を飲ませて食塩中毒で死なせたとして、この保育施設を経営していた33歳の女性を傷害致死の疑いで逮捕したことが発表されました。

乳児が小さじ1杯程度の塩を摂取し食塩中毒で死亡したという事実

この事件で亡くなった下坂彩心(あこ)ちゃんは当時1歳で、保育園のお迎えにきた父親に引き取られた後、

嘔吐(おうと)するなど容態が急変し病院へ搬送される。

しかし、同市内の病院に運ばれて約3時間半後に死亡が確認されたという。その後、病院から県警に対し「食塩中毒の子どもが搬送されてきた」との通報があったという。

この事件があった当日、施設内には同施設を経営する吉田容疑者と彩心ちゃんしかいなかったという。

吉田容疑者は「水に塩を溶かして飲ませたが、死ぬとは思わなかった」という趣旨の供述をしているという。

しかし、父親のコメントによると、施設で彩心ちゃんを引き取る際、首や背中など全身に塩の結晶がつき、ベビー服も塩でかたくなっていたということです。

盛岡赤十字病院の高野長邦医師によると、多量の汗をかいたまま放置されたことや塩の入った液体をかけられたまま放置されたことなどが考えられる、ということです。

飲まされた塩の量は未だ特定されておらず、警察は血液の塩分濃度などから彩心ちゃんが吉田容疑者の供述よりもはるかに多い量の食塩を飲まされたとみて捜査を進めています。

乳児はどれくらいの塩を摂取すると中毒になってしまうのか

なぜこの痛ましい事件が起きてしまったのか...。

体格などの個人差はもちろんあるが、1歳の乳児ならば小さじ1杯程度(約5~6グラムほど)の食塩を摂取すると、塩化ナトリウム中毒を引き起こし致死的になる恐れがあるという。

また、食塩をそのまま摂取するのに比べ、水に溶けた状態で摂取するほうが一気に小腸に吸収されるため、より危険性が高いと指摘されており、心不全や肺水腫の状態になるほか、高ナトリウム血症から不整脈を引き起こし、最悪の場合、死に至るという。

この、小さじ1杯程度で死に至る可能性がある点について、

ネット上でも「保育士をしているが知らなかった」という声や、「まさか子供にとっては塩は猛毒(猛毒という表現が適切ではないかもしれないが)になるとは」などの意見があがっている。

子供がよく食べる食品でも注意が必要

赤ちゃんに食べさせやすい食品として、しらす干しやカットわかめなどがありますが、

これらは食塩を多く含む食品となっており、子供が小さいうちはしっかり塩抜きをしてから食べさせることも大事です。

今年に入り、はちみつでのボツリヌス菌による乳児ボツリヌス症も注目されていますのでより赤ちゃんに与える食事には注意が必要。

ワンオペ保育の問題との指摘も?認可外保育施設とはどんな施設?

この認可外保育施は事件があった2015年8月のおよそ一月前の7月に開設されたばかりの施設で、事件後すぐに閉鎖されたといいます。

現在、認可外保育施設は全国におよそ6900カ所あるとれていて、

この認可外の保育施設がどういうものかというと、区市町村が設置するか、あるいは民間事業者等が都道府県の認可を受けて認可された保育所「以外」の施設のことを言います。

原則として、開設する場合は都道府県などへの届け出が必要な施設です。

当事件の保育施設は「24時間託児」をうたっていたことから、ベビーホテルだったとみられていて、

ベビーホテルは24時間保育を実施することもあり保育時間がとても長いため、自治体の調査が義務づけられていますが、立ち入り調査では5割もの施設に問題があり、スタッフの人員数に問題がある施設も1割あったと言われています。

事件当日も容疑者と彩心ちゃんだけだったということもあり、認可外保育施設でのワンオペ保育の問題も指摘されています。

亡くなった彩心ちゃんご両親のコメント

彩心ちゃんの両親はこの県警からの発表があった11日に、弁護士を通じて

「もう何があっても娘は帰ってきません。でもせめて、真実が明らかになり、二度とこのようなことが起きないようにしてもらいたいと切に願っています」

と言うコメントを出されていました。

幼くしてお子さんを亡くされたご両親のコメントから、とても深い悲しみのお気持ちが伝わってくる内容で、一刻も早く事件の真相が明らかになることを願っています。

安心して子供を預けられ、安心して生活できるような世の中に変わっていってほしいです。


ご両親コメントの全文

私たちの最愛の娘彩心は、2015年8月18日の明け方、1歳の誕生日の日に帰らぬ人となりました。その前日、市内の託児所スマイルキッズに預けた時は元気だったのに、お迎えに行ったときは無残な状態で、そのまま私たちのもとに帰ってきませんでした。岩手医大救急センターの先生からは、急性塩化ナトリウム中毒、要するに塩水を飲ませられて死亡したと聞かされました。

私たちは、この2年間、娘を失ったことの哀しみと辛さに加え、どうして娘が帰らぬ人となったのか、一体、スマイルキッズで、その日何があったのか、についても全く分からず、言葉に言い表すことができない怒りと辛さを味わってきました。

本日関係者の逮捕でようやく真実が明らかになる道が開けました。

これからは司法の場であの日のことを明らかにしていただきたいと思います。

もう何があっても娘は帰ってきません。

でもせめて、真実が明らかになり、二度とこのようなことが起きないようにしてもらいたいと切に願っています。


この痛ましい事件の真相が明らかになり、もっと世の中に食塩中毒の危険が認知されることを願います。

心よりご冥福をお祈りします。




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