京都の診療所でお産事故...無痛分娩で母子に障害「産科医1人だけの医院を許可しないで」ロシア女性の祖母の手記を公開のトピックイメージ写真

京都の診療所でとても痛ましい事故が複数発生していたことがわかり、事故にあった女性のロシア人女性が手記を報道各社に公開した。

その祖母の手記の中では、個人医院での出産の危険性を知ってほしいとの願いが込められていました。

産婦人科医一人しかいない個人医院で出産する危険性を警告したい-ロシア人祖母の手記

以下、原文となります。

新聞社に向けて文章で伝える動機となったのは、私達の家族に起こった悲劇を伝えたいからではありません。理由は別なところにあります。私は、妊娠している女性たちに、ただ1人の産婦人科医しか働いていないような個人医院で出産することの危険性を警告したいからです。


妊娠中に個人の医院で経過観察を受けることは、便利ですし、静かで、心地よいことです。ただ、出産だけは個人医院ではしないでください! 出産は複数の医師がいる体制のあるところでして下さい。救急時の対応医や新生児科の医師がいて、さらに複数の産婦人科医がいるところで出産すべきです。

私は妊娠中の娘を持つお母さん達に警告したいと思います。

もし貴女が自分たちの娘の命と健康を大切に思い、障害の無い孫の誕生を願うなら、ふるき産婦人科と似たような体制の医院で出産することを許可してはいけません。出産の経過は複雑です。出産のどの段階でも合併症は起こりえます。

さらに、もし新生児に何らかの合併症がある場合、考えてもみて下さい。この場合、医師はどちらに対応すればよいのでしょうか?母親ですか、赤ちゃんですか?


次いで、私が重要と考えていて理解できないことがあります。

厚生労働省の担当課が、 何故1人の産婦人科医しか働いていない産婦人科医院で出産することを許可しているのか、ということです。もちろん、助産師や看護師の体制はあるでしょうが、医師は1人です。産婦人科医は何年にもわたり不眠不休で働かねばならないのではないでしょうか? もちろん、そんなことはないでしょう…。とすれば、次の疑問が起こります…。医師がくつろいで眠っているときには、一体誰が出産を援助するのでしょうか?

個人医院で出産をする契約をし、熟練した医師の援助を受けて出産することを願っていた妊婦さんは期待を裏切られてしまうことになります。厚生労働省の担当課は出産時に起こり得るリスクを知らないということはないでしょう(知っているでしょう)。皮膚科医、歯科医、眼科医、内科医、小児科医には個人医院で1人で開業する許可を与えることはいいでしょう。しかし、外科医と手術をする産婦人科医に関しては、1人で開業する許可を与えることは許せません!

(中略)

 私はロシアで医師として30年以上仕事をしてきました。わが国ではこのようなことは見過ごされる(許される)ことではありません。私たちのところには妊婦のための経過観察をする個人の医院(外来のみ)は多くあります、しかし、出産は、医師のスタッフが揃い、機器も薬剤も十分に設備された産科病院でのみ可能です。

(中略)

 私は外国人です。日本語はわかりませんし、日本の法律についても詳しくはありません。ジャーナリストの皆様方に、対応すべき機関(裁判所?)に私の要望と祈りを伝えるよう切にお願いします。

1人だけの産科医しかいない医院ではお産ができる許可を与えないようにしてください!

自分たちの娘や奥さんを悲しい目にあわせないようにしてください!

家族にとって子どもが生まれるという最高に幸せな日が悲劇に変わるようなことはしないでください。

(以下略)

2017年6月11日

リュボーヒ・ボイコ

元の記事を読む
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170613-OYTET50017/#csidx19df8560669b129ba7625f0cfc961ef Copyright © The Yomiuri Shimbun


さらに、同様の事故が2例も続発していたことが発覚。

産科麻酔の重大事故が4件も発生している大変な事態となっている。


麻酔で出産の痛みを和らげる無痛分娩をした女性(40)と長女(4)が脳に重い障害を負ったのは医療ミスが原因として、この母子と家族計4人が京都府内の診療所に介護費用や慰謝料など計約9億4000万円の損害賠償を求め京都地裁に提訴したことがわかった。

昨年も同じ診療所で麻酔後に母子が重度障害を負っており、同様の事故が2例続発していた。無痛分娩の重大事故について調査している日本産婦人科医会は、この事例も調べる方針だ。


提訴されたのは、「ふるき産婦人科」(同府京田辺市)。訴状によると、女性はロシア国籍の元大学准教授で、2012年11月、この診療所で背中に細い管をさし込み麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」の直後に心肺停止となった。救急搬送先の病院で帝王切開により長女を出産したが、母子とも低酸素脳症などになり、現在も意識不明という。

原告側は「さし込んだ管が硬膜を破り、くも膜下に入ったことと、高濃度の麻酔薬を一度に大量に投与したミスがあった」と主張している。提訴は昨年12月。

女性の母親は代理人を通じて報道陣に手記を公表し、「産婦人科医一人しかいない個人医院で出産する危険性を警告したい。

出産は複数の医師の体制があるところですべきだ」と訴えた。


診療所は「取材は受けられない」としている。

同診療所では昨年5月にも、帝王切開の麻酔後に別の母子が重度障害を負った。同医会はこの事例のほか、大阪府や兵庫県で判明した妊産婦死亡例も調べており、産科麻酔の重大事故が4件相次いで発覚した形だ。

元の記事を読む

http://www.yomiuri.co.jp/national/20170613-OYT1T50013.html


産院選びの重要性

里帰り出産など、大きな病院を選べずに出産するケースも多い。

しかし、今回のような事件をきっかに、改めて出産に対してのリスクを知り、

無痛分娩の理解としっかりとした産院の選択を今後妊娠と出産を控える全ての女性とその家族に認識していただきたい。

このような事故が起きないことを切に願います。


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